メーカーではウィルスベクターによる遺伝子導入について経験がなく、メーカーとしての推奨プロトコールはありません。
文献情報に基づき、下記の3つの方法による遺伝子導入例をご紹介します。
1) 電気穿孔(エレクトロポレーション)法
2) ヌクレオフェクション法
3) リポフェクション法
エレクトロポレーションを利用した導入法(エレクトロポレーション法及びヌクレオフェクション法)では、シングルセル懸濁液として継代維持されている細胞の場合死細胞が多くなりますがリポフェクション法に比べて導入効率は高いものとなります。 各プロトコール例の詳細につきましては下記をご参照ください。 1) 電気穿孔(エレクトロポレーション)法 :遺伝子導入とmTeSRを組み合わせた利用例として、下記2つの文献をご紹介致します。 Efficient, high-throughput transfection of human embryonic stem cells Jennifer Moore et al., Stem Cell Research & Therapy 1 (23), 2010.
2) ヌクレオフェクション法:エレクトロポレーション法と同様、電気パルスにより細胞膜に穴をあけて遺伝子導入をおこなう方法ですが、この手法は核膜も通過して遺伝子を核に届けられるため、エレクトロポレーション法よりも導入効率の高い方法です。 3) リポフェクション法:この手法では一般的に無血清培地を使用して遺伝子導入をおこないます。GMP mTeSR1も無血清培地ではありますが添加物が多く含まれているため、それらがトランスフェクション効率にどのように影響するかについては不明です。文献を1件ご紹介させて頂いておりますのでご参照ください。