ビーズの凝集は起こり得ますが、通常は見た目上の問題であり、アプリケーション自体には影響しないことがほとんどです。
一部のサンプルでは、ビーズの表面電荷の影響により、「浮く」「粘着性がある/凝集する」といった問題が生じることがあります。どの磁気ビーズにおいても起こり得ることですが、Dynabeadsはその品質の高さから比較的起きにくい方ではございます。
ビーズ同士またはビーズとチューブ壁との間の静電的相互作用により凝集/粘着性が生じる可能性があり、このためにビーズの取り扱いが困難になることがございます。
■ 磁気ビーズ凝集への対策
- ビーズの凝集/粘着性に対しては、実験前にTween 20のような非イオン性界面活性剤でビーズを洗浄することを推奨しています。
Tween 20などの非イオン性界面活性剤を最終濃度 最大0.1%まで加え再懸濁した後に、Tween 20を含まないバッファーで洗浄することで、問題は通常軽減または解消されます。
Tween 20溶液でのインキュベーション(室温にてローラー上で5〜10分など)が必要な場合もあります。
この処理により、ビーズの静電ポテンシャルが低下し、凝集や沈殿が抑制される可能性が高くなります。
- 通常のシリコン処理済みチューブの使用を推奨します。ビーズの静電ポテンシャルが低下し、凝集/沈殿が減少する可能性があります。ビーズと表面との相互作用を防ぐだけでなく、チューブ壁での液滴形成も抑制するため、特に少量サンプルを扱う際に有用です。
- 強めのピペッティングにより、小さな塊を崩せる場合もあります。
- 可能な限り pH を高め、塩濃度を低く保つことも有効です。
- 抗体を加えた際に凝集が始まる場合もあります。この場合、間接法により、あらかじめ抗体で細胞を事前に標識すると、抗体添加による凝集問題が解決される可能性があります。
- リガンド結合前に短時間の超音波処理(例:水槽型超音波洗浄機で5分以内)を行うことで、凝集を軽減し均一な状態を回復できる場合があります。長時間の超音波処理はビーズ表面のコーティングを損傷する可能性があるため避けてください。
- 界面活性剤を完全に除去した際に、シリコン処理済みチューブを使用しているにもかかわらず凝集が起こる場合は、ごく低濃度の界面活性剤を常に含めておくことを推奨します。ただし、質量分析が下流のアプリケーションである場合には問題となる可能性があります。
凝集やそれに伴うビーズロスは一般的な現象ではなく、個々の条件でどの要因が静電的相互作用を引き起こしているのかを特定することは困難です。問題を経験しないユーザーも多く存在します。凝集が少しでも改善されることを願います。